外壁塗装鉄部のメンテナンス
こんにちは!マストホーム静岡富士支店の佐藤です!
今回取り上げるのは、外壁塗装では基本的には塗装する箇所なのですが、案外大事に思われていない鉄部・木部塗装に関してです。
外壁塗装のメイン工事はやはり外壁であり屋根だと思います。
サイディングボードであればシーリングもメイン工事ではありますね。ただ、鉄部塗装(付帯塗装とも言われます)ってどちらかというと外壁塗装のついでの工事な印象があると思います。
確かに、外壁や屋根に比べると優先度は低いですし、重要度も低いと思われがちなので外壁塗装はされているのに鉄部は塗装していないという家も結構あります。
おそらく費用を抑えるために重要度が低い鉄部は手を付けずにという選択をされたと思うのですが、個人的にはものすごくもったいないと感じてしまいます。
外壁塗装の鉄部とはどこ?
鉄部といいますと、以下のようなパーツが対象となります。
- 雨樋・雨戸(戸袋)
- 破風
- 鼻隠し
- 水切り
- 軒天
- シャッターボックス
- クーラーホースカバー
- 小庇
- 出窓の天板や上げ裏
- 化粧板
- パイプ
など家周りの細かい箇所になります。たしかに外壁や屋根に比べると放置しても雨漏れがするわけでもないので塗装をしなくても支障はない可能性が高いです。
しかし、マストホームズ静岡ではこういった箇所もすべて塗装することを推奨しています。
鉄部にこだわる理由
その理由としましては、以下の2つのポイントがあります。
①美観を保つため
②それぞれの箇所の劣化を防ぐため
といった理由で塗装をしています。
美観を保つため
これは塗装が完了した後の見た目が鉄部を塗らなかった場合と比べると雲泥の差です。特に雨樋やシャッターボックスや雨戸(戸袋)など劣化により色が薄くなっていたり、変色してしまっている箇所がそのままだと外壁がきれいに仕上がっている分余計に目につくようになってしまいます。逆に鉄部もピカピカに綺麗になっていると綺麗さが倍増に感じます。たしかに費用は若干掛かりますが、費用対効果はかなり高いと思います。
それぞれの箇所の劣化を防ぐため
こちらも当然年数が経てば劣化してきます。特に雨樋や雨戸などは直接雨が当たる箇所になるので梅雨や台風が多い日本だと特にです。
破風(軒天と屋根の間の側面部分)等はサイディングボードになっていたりするので特にです。
劣化し過ぎてしまうと箇所自体の交換になってしまう可能性もあるので塗装で防水をしっかりする必要性がます。
ただここで大事なのは外壁と同じ塗料を塗るとは限らず、下地もそれぞれ違うので塗り方を誤るとすぐに劣化してしまうので業者の知識が大事な箇所ではあります。ですのでそれぞれの箇所の塗装のやり方や特徴を挙げていきたいと思います。
外壁塗装(鉄部)のやり方
ただ上塗りするだけでなく、下地や下塗りなどそれぞれの表面帆ををするために必要な流れがあります。
相談の多いパーツごとにご紹介していきます。
雨樋
鉄部の代表的な箇所です。形の種類はほぼ円形か角系で分かれます。素材の種類はいくつかあり、a 塩化ビニール、b 合成樹脂、c ガルバリウム鋼板、d 銅、e アルミニウム、f ステンレス といったものが種類としてあります。一般的に多く使用されているのが、a 塩化ビニールやb 合成樹脂といった比較的安価なもので、和風の家だと雰囲気に合わせてD 銅が多く見られます。最近だと、少し高いですが非常に丈夫でサビにくく塗装の必要がないe アルミニウムやf ステンレスなども増えています。
基本的には下地調整材を塗布した後に主材を塗装していきます。この時にすでにサビが発生してしまっているとそのまま塗装できないので手作業でケレンといってサビを削る作業が必要です。発生量が多いとかなり時間もかかりますので職人さんの手間賃が高くなってしまう場合もあります。
それと外壁材の耐久年数に合わせて塗料を選ぶ方が良いです。例えば、外壁材がフッ素や無機などの高耐久塗料の場合、雨樋だけ低耐久の塗料を塗装してしまうと明らかに早く雨樋の塗料の劣化が早くなるので、ある程度外壁材の塗料に合わせての塗装がオススメです。
水切り
こちらの部位はサイディングボードの家にあるもので、モルタル壁の家には基本的にはありません。基礎とボードの間に付いていてボードの内部の湿気や水気を逃すための部位です。
水切りは基本的に、銅板製とアルミ製に分けられます。アルミ製に関しては雨樋と一緒でサビにくく丈夫なので塗装の必要はありません。ただ一般住宅にはまだまだ普及していなく1割もないと思われます。ほとんどの家は銅板製の水切りが使用されているので塗装が必要です。こちらも雨樋と一緒でサビが発生していればケレンをしてサビ止めを塗布した後に塗装していきます。
軒天
屋根の軒の裏面です。ベランダが外壁から突き出して付いている家はここの裏面も含まれますね。ここはサイディングボードの家とモルタル壁の家とで使用されている材質が違います。
モルタル壁の場合は、外壁と一緒でモルタルになっている事も多いです。ですのでその場合は外壁と一緒の材料で塗装して問題ありません。問題なのは木が使用されている場合です。最近の住宅では珍しいですが、築20~30年の住宅では多く使用されています。木部を塗装する場合、気に掛けるポイントは木目を残して塗装するか、木目は残さずに塗装するかです。木目を残さなくていいのなら下地材を塗布してから普通の塗料で塗装してしまいます。ですので見た目は単色のベタ塗りなので木の雰囲気はもうありません。しかし、木の状態がそこまで傷み切っていなければ木目を残したままの塗装ができます。多少色は濃くなりがちですが、木目が残っているので木の雰囲気が継続して楽しむ事ができます。ですので、和風住宅で軒天などに木を多く使用されている場合は早目の塗装が良いと思います。腐ってしまうと交換しなくてはいけませんので費用も高くなってしまいます。
一方でサイディングボードの場合ですが、一番主流なのが火に強く腐食しずらいケイ酸カルシウムが使われているケイカル板というボードです。他にも、種類があるのですがケイカル板から派生しているものなので今回は割愛します。ケイカル板の塗装は外壁材ではなくケイカル板専用の塗料を使用します。稀に極端に剥がれていたり、腐食してしまっているケースもあるので意外と注意が必要な部位です。
破風・帯・化粧板
これらの部位はモルタル壁であれば同じくモルタルか、木が使用されているケースが多いと思います。サイディングボードであれば窯業系か板金かと思います。どちらも今までの部位と同じように塗装していきますが、木の場合、窯業系の場合どちらも劣化が進行してしまっているケースでは板金の巻き直しをオススメしています。現状の塗膜が剥がれていたりするとケレンをして下地調整材を塗布して塗装をしても再度剥がれてしまう可能性があります。多少費用はかかりますが板金は基本劣化しないので長い目でみればお得かもしれません。
雨戸(戸袋)
雨戸(戸袋)は金属製で作られている場合が多いです。そして雨や太陽が直接当たりやすい場所にあることが多いので劣化が進むとサビが発生してきます。それに伴い塗膜も劣化してしまい見た目がかなり悪くなっていまうケースが多いです。断熱形状と波型形状とパターンがありますが、どちらのパターンもまずケレンをしてサビ止めを塗布して塗装をしていきます。スプレー吹きと刷毛で塗っていくのとありますが、ケースバイケースで使い分けて塗装していきます。お家によってはかなりの枚数がある場合もあるので綺麗になった時の仕上がりは雲泥の差に感じると思います。
シャッターBOX
最近では窓にシャッターが付いているお家も多いと思いますが、こちらも塗装できる部位です。ただ、シャッター本体とシャッターを収納するボックスでは分けて考えなくてはいけません。基本的には塗装するのはボックスの方だけになります。といいますのが、シャッター本体が塗装してしまうと厚みが付くせいでシャッターの動きが悪くなってしまったり、収納ができなくなるおそれがあります。あと、動いた時に塗料がペりぺりと剥がれてしまうリスクもあるので塗装はオススメしていません。ただし、今後シャッターを動かさない事が確定している箇所でしたり(例えば倉庫など)、そういった場合だと塗装する事もあります。雨戸と同じで見た目が悪くなりがちな部位なので塗装で綺麗になると素敵になります。
といった感じで、鉄部・木部の塗装に関してまとめてみましたが、すべての部位に共通して大事なことは、各部位の特徴や性質を正しく理解して塗装をしなくてはいけないという事です。どうしてもメイン工事である外壁や屋根に気をとられ、おざなりになりがちな部位なのですが、実は仕上がりの際に違いがでるのはこういった細かい鉄部・木部塗装なので、もちろん予算の兼ね合いもあるとは思いますが、10~15年後に必ず違いが出てきますので、可能な限りこだわっていただきたいなと思います。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました。また来月も読んで下さったら嬉しいです。失礼します。
家を守りたいからこそ、今できる対応を模索する。この時、目立った汚れを除去すれば処理が完了ということではありません。
中には、ワイヤーブラシなどの専門の塗装工事用の機材を使わないと簡単には落とせない汚れもあります。
ただ単に塗装工事をしてもらうということではなく、建物をどのように補修しておくべきか?
これが本来プロが現場を確認を行うポイントです。
自分たちの依頼する内容は本当にこれだけで大丈夫?5年10年経ったらまた同じ悩みが出てきて同じことを行う必要があるなんてことはない?汚れや錆びを落とすということもひび割れを修復する、水垢や水漏れを治すという時でもその後の悩みは共通点が多い。
同じ現象を引き起こさないためには何が必要なのか?
耐久性ばかりに目を向けるのではなく、その内容には何か見落としている点がないか?
何をしておけば、今手間がかかるけど将来は楽になるのか?
ビル、マンション、アパートでも築何十年という時間を経過させるために何度も修繕や補修を行い、外観を保っています。
現在の家の問題に対して、価格の相場だけでなく、その中身に注目していただくことの重要性を知っていただけたら幸いです。