足場の種類と必要性
こんにちは、マストホームズ静岡の笹本です。外壁や屋根の塗装をする際にほとんどの場合足場は必要になってきます。費用や色、塗料の性能など注目される方が多いですが、塗装をするために見積もりを取ると必ず付いてくる足場も塗装をしていくうえで「足場にはどんな種類があるのか?」「足場を組む必要ははたしてあるのか?」「足場の相場はどれくらいなのか?」など基本的なことを知っている方がいいと思います。ですので、今回は塗装に必ず必要になる足場に関して書いていきたいと思います。
まず、足場は家の外周に立てていくため外壁の面積よりも大きくなります。ただ業者によって面積が本来よりも大きく計算されている場合もある為ここが一番最初の注意点になります。次に、見積を出して頂いた業者さんにキャンペーンなどで「足場が無料になります」近所で塗装をしていて「運搬費が不要な為足場を無料にします」などと言われたりしたことがある方も多いかと思います。しかし実際のところは足場が無料になっているのではなく、他の部分の料金を高くして足場部分の代金を取って補っているいるだけで契約を急かす典型的な手法ですのでここも注意が必要になってきます。
足場が無料にすることは非常に難しいことで、運ぶ距離が短くなったりすれば安く出来ると思われる方も多いかと思いますが、たとえ運ぶ距離が短くなっても足場を解体したり組み立てるのは何人もの人件費と労力は全く同じであり、安全で高い質の塗装を行ううえでは足場は非常に重要な部分になってきます。
この一般的な30坪程度の家で、15万から20万程度必要になってくる足場の工事を無料にすることは、業者にとってはどれだけの痛手になるか考えて頂ければかなりの無謀なキャンペーンで値引きをしていることが分かるかと思います。
「足場の価格の相場」
足場価格の相場は業者によりバラツキがあります。基本的には1㎡700円から1100円となっていて、一般的な2階建ての場合は先程記載した通り15万円から20万円となります。これよりもあまりにも金額が大きかったりする場合などは注意が必要です。高い場合はダメというわけでもなく、屋根足場などある場合は通常よりも高くなってしまうこともありますので、どのように足場を組んでいくのかなどを聞き費用が適切であるか判断することをおススメします。
ここまで読んだ方で、足場に15万から20万も使うのは勿体ないと感じている方は多いと思います。実際に脚立を使って塗装をしたりも不可能ではありませんし、足場無しで塗装をしてくれる方もいるとは思います。しかし足場の安定しない場所での塗装は作業がしにくくなってしまい施工がどうしても雑になってしまいます。雑になってしまうと色にむらがでてしまったり、塗料本来の耐久地が出せなくなってしまいます。高額な工事費をかけて工事していくことを考えると、足場の費用を削減して職人の技術がしっかり活かせないような環境をつくることはお勧めはできません。
足場の種類
足場の組み方には大まかに3種類あります。各種メリットデメリットを紹介していきます。
「単管足場」
単管という丸いパイプを建てた柱と両側に2本抱き合わせて組み立てる足場です。パイプ2本の上に足を乗せるので不安定で事故に繋がりやすい為今はあまり使われてはいません。足場の幅が取れない部分では使われることがあります。単管足場のメリットはこの幅の少ないスペースでも足場を建てることが出来ることとパイプとパイプを自由に繋ぐことができ軽く足場の高さが調整できる点です。
「単管ブラケット足場」
単管にブラケットという金物をつけ、足場板を敷きその上で作業する足場のことをいいます。単管足場とは違ってブラケット足場は足を乗せる板があるのでバランスが取れて作業がしやすいメリットがあります。基本的にはこの板をつけて足場を組んでいくのが一般的です。1つ1つ組み合わせる必要があることとボルトを閉めて組み立てていかなければならない為足場を組むのに時間が丸一日かかってしまったりするところがデメリットになります。
「クサビ足場」
現在一番多く使われている足場がクサビ形足場になります。クサビ足場はその名の通り緊結部にクサビを使用しています。足場の中では比較的新しく登場した足場になり多くのメリットがあります。この足場の最大のメリットは低コスト、短納期です。ブラケットを差し込んで組み立てていく足場で組み立ても解体も非常に早く、足を乗せる板も幅が広いのが特徴です。ハンマーでしっかり固定して組んでいくので揺れも少なく一番作業しやすい足場になります。従来の足場は高層建築で使用する事を前提としているため、材料1つ1つが重く組み立てるのにはレッカーが必要でした。これがどうしてもコストや工期に影響を与えますが、このクサビ式の足場は中層や低層の建物であれば人力で組み立てることが出来るためコストと時間の低減が可能となりました。(30メートル前後の建物までは使用できます)次に複雑な形状の建物に強く小回りのきく所はメリットとなってきます。クサビ足場の材料1つ1つが小さいため外壁が複雑であってもしっかりフィットする足場を設置することが可能になっています。上記理由から低コスト短周期での組み立て、複雑な形状に強いクサビ足場は一般的な住宅の塗り替え工事では一番使用頻度が高い足場になります。
「通常よりも足場代が高くなるパターン」
上記で少し触れていますが足場が通常より高くなってしまう場合もあります。
まず、一番多いのが建物の高さが高い場合です。この場合は足場の運搬費用が通常の戸建てよりも多くかかってしまう為1㎡あたりの単価が高くなってしまいます。
次に、道路から家までに高低差がある掘り込み式の駐車場がある場合も通常より運搬珍が多くかかってくる為高くなってしまいます。
その他工期が長引いてしまい足場の貸出期間が長くなってしまった場合なども高くなると思われがちですが、運搬費用も足場の組み立て、解体の手間は変わらない為、費用は高くなりません。
「足場を建てる為に必要なスペース」
隣接する家との間に足場を建てることが出来るのか気になっている方もいると思います。狭い場所にどの程度幅が必要なのかですが、大体人間の通れる幅があれば足場を建てることが出来ます。都市部などでは隣接した家とのスペースはほとんどない家も多くそういった場合は足場が組めない為塗り替えは出来ません。しかし、その場合紫外線などが外壁に当たりにくい為、外壁自体の傷みは少ないので塗り替えが必要ない可能性が高いです。このような外壁の場合施工段階でメンテナンスが少ない金属系サイディングが使用されていることも多々あります。
ここまで足場について書いてきましたが足場の費用については塗装全体の費用で考えていかなければいけません。例え足場が1㎡あたり500円だったとしてもそれが安いのか高いのかは他の項目全体を見なければ判断出来ないからです。足場が安くとも塗装の塗料の金額が安くなっている分高くされていたりなど、塗料が高く設定されていては結局意味のないことになります。何の項目にどのくらいの金額がかかってきているか1つ1つ確認することは手間がかかることとは思いますが、総合的に判断することにより適切な判断が出来るようになると思います。