防水工事種類の比較ポイントまとめ

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こんにちは!マストホームズ静岡の工藤と申します。

今回は防水工事についてです。防水と聞いてもピンとこない方も多いと思いますが。戸建ての住宅でもほとんどのお宅で新築時に施工されています。主にベランダの床、屋上のあるお宅は屋上に、防水が施工されています。防水の種類によって年数は違いますが、定期的なメンテナンスが必要です。今回は防水の種類と、特徴をお伝えさせて頂きたいと思います。

アスファルト防水

まず、最初にご紹介させて頂くのが、アスファルト防水です。一番古典的な防水ですが、信頼性は非常に高い施工方法です。

アスファルトというと道路のアスファルトを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、あのような硬いアスファルトではなく、ゴムのようなアスファルトシートを使用した防水工事です。建物の上でガスバーナーや溶接釜を使用するびっくりする方法ですが、歴史は古く、長年使われてきた方法で、海外でも普及しています。接着方法に4つの方法があります。

熱工法

最も原始的な方法です。溶接釜を設置し、そこで溶解した液状の熱いアスファルトを使ってルーフィングという防水シートを貼り付けていきます。仕上げに、溶かしたアスファルトを全面に塗っていきます。

冷工法

粘着工法、常温方法とも言います。他の方法は熱等で溶かしたアスファルトを使用するのに対し、全く熱を使わない為、この名前がついたそうです。

片面が粘着加工してある改質アスファルトシートを下地に貼り付け、上にも同様にアスファルトシートを貼っていく工法です。

冷熱工法

熱工法と冷工法を組み合わせた工法です。粘着性があるアスファルトシートを貼り付けて、その上から、熱で溶かしたアスファルトシートを貼り付けていきます。

トーチ工法

ガスバーナーでアスファルトシートをあぶりながら密着させていく方法です。広さのある屋上でよく使われます。

アスファルトは熱で溶けるため、バーナーで溶かしながら下地に密着させることで、シートとシートの間や接合部もしっかりと密着し、上から落ちてきた雨水が下地に行き渡らないように出来ます。

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葵区で、屋上にアスファルト防水トーチ工法を施工した時の写真です。

左から、施工前、施工中、施工後になります。

FRP防水

FRPとは

FRPとは繊維強化プラスチック(Fiberglass Reinforced Plastics)の略称で、ガラス繊維などの強化材で補強されたプラスチックという意味です。強度、防水性が非常に高く、船底、水槽、バスタブなどで使用されています。

FRP防水とは

FRP防水とは、一戸建てのバルコニーに使用されることの多い防水です。私は10年近くリフォーム仕事をしていますが、特に築10年~築20年の一戸建てには非常に多く使用されていると感じます。

非常に多く使用されているのは、それだけ防水性に優れている為だと思われます。

FRP防水は、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガラス繊維などの強化材と組み合わせて一体化させた塗膜防水です。完成した防水層は、継ぎ目は無く、優れた防水性能を発揮します。また、施工性も良く、塗膜の乾燥が早い為、1日で施工が完了することがほとんどです。何層も塗り重ねる仕様でも1日で施工が完了することが多いです。

FRP防水の主な材料は防水用ポリエステル樹脂及び、防水用ガラスマット、保護仕上げ材(トップコート)等があります。

FRP防水の施工方法

次に、FRP防水の施工方法のご説明をさせて頂きます。

2016年に葵区で施工をさせて頂いたお宅の写真を元にご説明させて頂きます。

①ベランダ床をキレイ清掃し、プライマー(接着剤)を塗ります。

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②ガラス繊維を樹脂で挟み、ガラスマットの防水層を作っていきます。

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樹脂が乾いたら、保護仕上げ材(トップコート)を塗り、完成です。

トップコートはグレーやグリーン等の色の種類があります。

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以上が、FRP防水の基本的な施工方法になります。

FRP防水は、高い防水性を持っているだけでなく、施工性が良く(工期が短い)、工事費用も、防水工事の中では比較的安価です。船底にも使われていると聞くと、防水性に関しては安心ですよね。個人的には1番オススメな防水の種類になります。これから、新築でお家を建てられる方は、是非参考にしてみてください。

ウレタン防水

次に、ウレタン防水についてお話をさせて頂きます。ウレタン防水とは、その名の通りウレタン塗料を使用した防水の種類になります。施工が比較的簡単な為、様々な下地の改修工事に使用できるため、フォームの工事では施工例の多い防水の種類になります。ウレタン防水には施工の種類がありますので、種類別にご説明させて頂きます。

ウレタン防水の種類

通気緩衝工法(脱気工法)

通気緩衝工法は、20㎡以上ある比較的大きなバルコニーや、屋上に使用する工法で、後でご説明するシート防水工事に似た施工方法です。下地の上に通気シートを敷き詰めて、その上からウレタン塗料を塗るという工法です。通気緩衝シートが下地のコンクリート等を緩衝(クッションのような役割をしてくれます。)しながら支えるため、クラック(ひび割れ)がおきにくいのが特徴です。

また、湿気がシートの下に溜まらないようにするため、脱気筒といわれるステンレス製の筒(小さい煙突のようなかたちをしています。)を20㎡~80㎡に一カ所ずつ取り付けます。通常のベランダでしたら30㎡以上の面積があるお宅は稀だと思いますので、1カ所取り付ければ十分でしょう。脱気筒を取り付けることで、中の湿気を外に出してくれる役割をしてくれるので、湿気が溜まりづらく、膨れや剥がれが発生する可能生を大きく減らすことが出来ます。

ウレタン防水通気緩衝工法(脱気工法)の施工の流れ

ウレタン防水通気緩衝工法(脱気工法)の施工の流れを、ご説明させて頂きます。

※写真がない為、文章での説明になります。

①下地処理(下地床の清掃、ケレン作業、目地シーリングでの補修等)

②プライマー(塗料をつきやすくする接着剤のようなもの)を塗装する

③通気緩衝シートを敷き詰める

④脱気筒を設置する

⑤立ち上がりの部分にウレタン塗料を塗布する。

⑥立ち上がりの部分にガラスクロスを貼る

⑦ガラスクロスの上からウレタン塗料を塗る

⑧平場にウレタン塗料を流し込み、均一に広げる

⑨乾燥後、もう一度ウレタン塗料を流し込み、均一に広げる

⑩保護仕上げ材(トップコート)を塗り、完成

以上がウレタン防水通気緩衝(脱気工法)の特徴と工法になります。広いバルコニーをお持ちの方はリフォーム工事の際はこの工法になることも多いと思います。

ウレタン防水密着工法

次に、ウレタン防水密着工法についてご説明させて頂きます。その名の通り、密着工法は、下地の上に直接、防水層であるウレタン防水塗料を塗装していく工法です。通気緩衝シートや、脱気筒を入れる必要がない為、比較的簡単な施工方法になります。

ウレタン防水密着工法の施工の流れ

①下地処理(下地床の清掃、ケレン作業、目地シーリングでの補修等)

②プライマー(塗料をつきやすくする接着剤のようなもの)を塗装する

③ウレタン塗料を流し込み、均一に広げる

④補強布を敷いて、再度ウレタン塗料を流し、均一に広げる

⑤乾いたら、再度ウレタン塗料を流し込み、均一に広げる

⑥保護仕上げ材(トップコート)を塗り、完成

以上が、ウレタン防水密着工法の特徴と工法になります。ほとんどのお宅がバルコニーは20㎡以下だと思いますので、この工法でリフォーム工事を行うお宅は非常に多いと思います。しっかりと下調べをすれば、素人でも施工が可能ですので、工事費用をおさえたい方は挑戦してみるのも良いかもしれません。

メリットとデメリット

次に、ウレタン防水のメリットとデメリットについてご説明させて頂きます。リフォーム工事を行う際の参考にしていただければと思います。

メリット

  • 工期が短く、比較的安価に施工か可能
  • 様々な種類の下地の改修工事に使用できる
  • 比較的施工が簡単
  • 廃材が出ない

ウレタン塗料を流し込み、コテで均一に広げていくという作業が基本なので、素人にも出来る作業です。また、1番のメリットは、下地がどんな状態でも、何の種類だとしても対応出来る可能性が高いことです。まさにリフォームに適した、オールマイティーな防水の種類と言えます。

ウレタン防水のデメリット

  • 塗る人の腕によっては、ムラができる
  • 工事の不備が分かりづらい

簡単な作業内容ではありますが、均一に仕上げるのは経験が必要です。ウレタン塗料を均一に伸ばさないと、塗膜が薄くなってしまった部分は劣化が早い為、出来ればプロの防水屋さんに頼むのがオススメです。また、工事の良し悪しが、数年経たない分からないのもデメリットの1つです。工事は、しっかり保証を出しでくれる業者に依頼をしましょう。

ウレタン防水の施工の注意点

最後に、ウレタン防水を施工する際に失敗が無いよう、施工の注意点をご説明させて頂きます。

  • ウレタン塗料は、塗る分を小分けに作る

主材と硬化剤を混ぜてから使用できる時間が短い(塗料がすぐ固まってしまう)為、必要な分だけその都度作る必要があります。1度にたくさん作ってしまうと、塗料が固まってしまい塗ることが出来なくなりますし、少なすぎると何度も塗料を作る必要が出てきてしまうので手間がかかります。適切な量を作れることが重要になります。

・排水口(ドレン)周りの施工を注意する

多くのバルコニーの端には、排水口(ドレン)と言われる雨水などが流れていく部分があります。排水口(ドレン)がウレタン塗料で詰まってしまうと、バルコニーに落ちた雨水が溜まってしまい、雨漏りの原因になってしまいます。排水口(ドレン)に塗料がつかないように、十分に注意して施工をする必要があります。

ウレタン防水は、施工が比較的簡単で、既存のバルコニーがどんな下地の種類でも対応でき、廃材も出ない為、素人でも施工してみたくなる防水です。しかし、ウレタン防水を均一にコテで広げる事が出来るかは、施工する人の力量にかかっています。塗膜が薄くなってしまった部分は劣化が早いですし、排水口(ドレン)をウレタン塗料で詰まらせてしまった場合は雨漏りの原因になりますので、出来ればプロの防水屋さんに依頼をしましょう。また、屋上や、広いバルコニーをお持ちの方は、ウレタン防水密着工法ではなく、ウレタン防水通気緩衝工法(脱気工法)になる為、通気シートや、脱気筒の設置が必要不可欠になります。必ず、防水屋さんに依頼をしましょう。

シート防水

最後にシート防水についてご説明させて頂きます。シート防水にも種類があります。今回は主に施工される事が多い塩化ビニール樹脂シートと、合成ゴムシートについてお話しします。

塩化ビニール樹脂シート(密着工法)

塩化ビニール樹脂シートを直接下地に貼り付けていく工法になります。塩化ビニールとは、塩ビとも言ったりしますが、水道管や雨樋にも使用されている素材で、プラスチックに近いようなイメージをお持ちの方も多いのではないかと思います。防水に使われる塩化ビニールのには可塑剤(物質を柔らかくする素材)が入っているため、柔らかいです。

施工の流れ

塩化ビニール樹脂シート防水(密着工法)の施工の流れをご説明させて頂きます。

①下地処理(清掃)

②下地材(接着剤)塗布します。

③塩化ビニールシートを敷きます。

④シートをローラーで押さえつけます。

⑤接合部を熱や薬剤などで溶かして圧着し、シーリング材で埋めて完成です。

また、塩化ビニール樹脂シート防水には、密着工法の他に、塩化ビニールを鋼板器具やビスなどで固定していく機械的固定工法という工法もあります。

合成ゴムシート防水

合成ゴムシートは、塩化ビニール樹脂シート同様、シートを敷き詰めていきます。同様に、密着工法と機械的固定方法があります。メリットとしては、ゴムなのでクラック(ひび割れ)等に非常に強いです。塩化ビニールシート防水との工程の違いは、ゴムシート防水は仕上げ用の塗料を塗装することが出来ます。

さて、長々と防水の話をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?防水工事は、家屋への雨水の浸入を防ぐための非常に重要な工事になります。大切なお家の防水の種類、特徴を理解し、後悔の無いリフォーム工事を行いましょう。

新築時には耐久性があると思っていても10年という歳月を経過させていくとそれまでに起こった複雑な事情で徐々にその強度が劣化していきます。

住宅には、単純に気候だけの問題ではなく、さまざまな要因により改修を必要とする問題が発生します。

トイレ、キッチン、お風呂等の水回りの場所だけでなく、玄関や土間等もある程度15年20年と経過していくと徐々に歪み等があったと気づく時期になることも多い。

マンションと異なり、ある面自分たちの自由にできる戸建て住宅。

しかし、その分何かあった時にはすぐに対処しないと数年その状態で放置していると複数箇所を同時に修繕しなければいけないということもあります。

まずはそれぞれのスペースごとに目配り気配りをしながら、昔に比べてちょっとおかしいと思った時にはなるべく早い段階でご相談ください。

  • 水を使うスペースでこれまでとは違う臭いがするようになった
  • 今までよりも多くエアコンを使っている気がする
  • 家にいる時間が少ないから放置していた
  • 耐久年数目安を完全に安心しきっていた

このように時間が経過していくと徐々にこの程度のことでは大丈夫と不安を抱きにくくなっていく。

これが徐々に大きな事態に向いて家が老朽化を始めているサインかも!

こんな危機感を持って早めに対処をしたほうが安いのも住宅の特徴です。

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