無機塗料とは?セルフクリーニング方法
こんにちは!マストホームズ静岡の田中です。
梅雨入りのシーズンには外壁の汚れや塗装の剥がれなどが気になる時期。
作業を塗装店としてはつらい季節になりました。梅雨が明けて夏になる前に何とかしたい!
今年はいつごろまで梅雨が続くのか気になるなんて方も多いのではないでしょうか?
早ければ7月頭に開けてしまうこともあります。
毎年を願っています。前回は遮熱塗料についてお話しさせて頂きました。これからの時期、需要が伸びる材料ですので、気になる方は是非そちらも見て頂きたいと思います。
そして今回は、雨で外壁の汚れを落とすで有名な『無機塗料』について書かせていただきたいと思います。近年、塗装店から最長の耐久年数を誇る塗料として、しばしば紹介されるため、耳にする方も多いのではないかと思います。これをご覧になられている方はもしかしたら塗装店から無機塗料を進められて、ぶっちゃけどうなの?と思われているかと思います。ちなみに無機塗料は、ぶっちゃけものすごく良い塗料です。もちろん無機塗料の中でも、怪しいメーカーのものもでているようですので、注意は必要ですが、日本ペイントや関西ペイント、エスケー化研、KFケミカルなどから出ている無機塗料ならまず間違いなく良い塗料です。ほかにもKFケミカル社などの無機塗料も有名です(弊社はこちらの無機塗料を採用しています)。以下には無機系塗料の特徴やメリット・デメリットを書かせて頂きましたので、ご興味のある方はお付き合いください。
無機塗料の耐久性が良い理由
外装用に売られている無機塗料は、正式には無機系塗料といいます。なぜ『系』がつくのかというと、それは外壁に使われる塗料は純粋な無機ではなく、無機が配合されている有機塗料だからです。無機?有機?となると思いますが、簡単です。無機は、無機物の無機です。ガラスや陶器などがそれに当てはまります。有機は、同じく有機物の有機です。人間の体もそうですし、傷むものはだいたい有機物です。
少し塗料の話からずれてしまいましたので、塗料に置き換えると、無機とは、ガラスのように紫外線で傷みづらい物質ですので、無機系塗料は、紫外線で劣化しにくくするために無機を配合した塗料なのです。純粋な無機ではなく、有機塗料に無機を配合するといった方法しか取れないのは、無機物がとても固い物質なため、塗料にすると少しの揺れで割れてしまうからです。薄いガラスを外壁に貼るイメージをしていただくと、地震が起きたらすべてバリバリに割れるイメージをしていただけると思います。逆に、有機物はとても柔らかいですが、紫外線によって劣化しやすい物質です。塗料にするには、柔軟性(柔らかさ)が絶対条件ですので、今まで出ている塗料はすべて有機塗料でした。つまり、無機系塗料とは、有機塗料にできる限り無機物をいれて耐久性をよくした材料ということです。もし、純粋な無機塗料があればその耐久年数は、永遠とも言えますが、無機系塗料の耐久年数は、現行でているものでは、最長で20年ほどだと思います。
ごちゃごちゃとしてしまいましたので、まとめると、今までの有機塗料は、ゴムを家に巻き付けるイメージです。劣化しやすいですが、柔らかいため、揺れてもわれづらく今でている塗料は、これを基本にできています。無機系塗料は、その有機塗料に、固くならない程度の無機成分を入れて耐久性を少しよくしているといった感じです。
ちなみに今塗装をお考えになられている方には、その塗料が無機かどうかわかる簡単な方法としては、材料の特徴にセラミックと書いてあればそれは無機系塗料です。無機系塗料は、明確な基準や取り決めがないため、メーカーとしても全面に出していている場合とだしていない場合がありますので、メーカーに確認することをおすすめします。最近はネットでも簡単に確認できますので是非。
無機系塗料のメリット
無機系塗料のメリットは、なんといっても耐久年数の長さと汚れにくさです。外壁塗装においてこの2つは最も重要な項目です。雨を長い間はじいて、見た目が長い間キレイ。それ以外になにが必要なのかと思うほど重要です。
まず、耐久年数の長さについては、先程お伝えした通り、有機塗料に無機成分を配合した塗料ですので、今でも最もよく使用される有機塗料に比べると、紫外線による劣化がしにくいといった理由です。ちまたでは、ガラスコーティングといって販売している業者さんもいます。とにかく、無機成分のおかげで、その辺に売られている塗料よりも倍ほど持ちます。
次に汚れにくさです。これも無機成分が入っているおかげで汚れが付きづらくなっています。まず、一般的な有機塗料は、いわばゴムです。昔あったスライムみたいなおもちゃをイメージしていただいて、それをホコリの中に落とすとホコリがくっついて取れないと思います。つまり、有機塗料はベタベタと汚れが付きやすいデメリットがありますが、逆に、無機物のガラスや陶器はどうでしょう、確かにホコリはつきますが、水で洗えばきれいになります。これがまさしく汚れにくさです。無機系塗料を使用した外壁には、汚れがくっつきにくく、雨が降れば洗い落されるという性質があります。雨が降ればすべてピカピカとはいかないと思いますが、確実に有機塗料よりも汚れがへばりつかない分、圧倒的に洗い落されると思います。ちまたでは、セルフクリーニング効果といわれ、車のワックスなどでも聞かれると思います。
無機系塗料のデメリット
各メーカーが無機系塗料を出している現在、多くの塗装店が最上級塗料として販売していますが、そのデメリットは1つ、固いという点です。先ほどもお伝えした通り、無機物は固いため、純粋な無機塗料の製造は不可能で、柔らかさを保つために、あくまでも有機塗料で、その中に無機成分を入れたのが、現行無機塗料として販売されているものです。ですので、ある程度の柔らかさは保っていますが、有機塗料に比べれば固いのは仕方ないことです。メーカーもそこは再開発でどんどんと柔らかくしていますが、やはり、塗装後の不具合として多いのは、塗料が固いことによる塗膜のワレが圧倒的に多いです。とくにシーリングの上に塗料がのる場合、無機系塗料は、確実に割れますので注意が必要です。
無機系塗料の個人的所感
無機系塗料の耐久性が強いことは、メーカーからの説明や、その原理を聞くとわかります。しかし、私としては、今まで、原理やメーカーの謳い文句を信用して様々な失敗もしてきていますので、しっかりと実際に塗った現場の経過をみて最終的に判断したいところですが、今のところ、目地上の塗料の割れという不具合を除けば、概ね持ちそうな感じはします。無機系塗料は、大体のメーカーで促進耐候性4000時間以上(20年くらい)持つと発表されているため、長い目で観察していきたいところです。上記の理由から、マストホームズ静岡では、基本的に無機系塗料は販売していません。私たちとしては、自分たちの目から見て、明らかに耐久性も良く、経験上メンテナンス率が低い材料しかお勧めしないためです。お客様からのご要望や相見積先に合わせなければいけない場合などに無機系塗料もご紹介できるように準備はしていますのでご安心して頂きたいと思います。
無機系塗料は、今も進化している塗料です。いずれは、ご紹介するすべての塗料が全て無機系塗料になる可能性も十分にあります。あくまで、まだ材料代も高く、不具合も多く報告されているため、今はお勧めしないだけであって、今後に期待したい分野の塗料であることは間違いないと思います。
- 耐水性や撥水性の高い性能重でお求めになる方
- フッ素などの成分に注目されている方
- カビに強い等の湿度の高い環境に不安をお持ちの方
- カビ発生をきっかけに内壁や水回りをまとめて処理したい方
建物の築年数や高性能、高気密、高断熱などの性能や技術の期待など選び方は人によって異なります。
もちろん、価格も異なりますし、高低差があるのにはそれぞれに理由があります。
もうすでにカビが繁殖し、汚染されているような状態から検討される際にはまずは現状に何が必要なのかを知っていただくことが大切です。
一方で、超撥水等の機能を求めていても防カビだけでなく、ひび割れや色褪せなどこれまでには気になっていなかったことを工事を実施する前に発見することも非常に多いです。
あくまで機能や性能も大切ですが、アクリル、樹脂、シリコン等素材の細かな違いから、リフォームなのかそれとも表面の機能を維持するための補助なのかという目的によっても含まれるべき成分は異なります。
そのため、情報収集はある程度のところまで進んだら、まずは一度専門の会社に相場や状況確認をチェックしてもらうことが重要です。
弊社では、塗装工事だけでなく、リフォームにおいても多くの事例をご紹介しております。
少しでも長く安心して暮らせる家にしたい。
美観だけでなく、依頼をする以前と比較して使い勝手が良くなったというお声をいただけるようにわかりやすくご説明をさせていただきます。
各社が開発をすすめ、長期間のメンテナンス不要な素材の研究も続いています。
こうした中で、住宅維持管理の基礎を少しでも知っていただくことで、昔に比べて早期発見と原因によって早期の対処が可能になってきました。
些細な剥がれを放置したことが原因で新しいカビなどの問題が発生したらそれだけで単価が上がってしまいます。
ぜひ自分の家に何が起こっているのかをまずは知っていただきたいのです。
そして、ただ高額なものをお勧めするのではなく、その課題に適した素材を使う。
そして、金額も希望等を考慮したうえで、それぞれの現場の状況に合わせたご提案をさせていただきます。
お気軽にご相談ください。