目地コーキングとは?補修とメンテナンス方法
はじめまして!!マストホームズ静岡の小西です!
私自身初めてのブログになりますので、どう仕上がるかわかりませんができる限り皆様に伝わるように分かり易く書いていきたいと思いますので宜しくお願い致します!!
今回のブログは、サイディングやALC(軽量気泡コンクリートボード)等の外壁材に打たれているコーキングについて書いていきたいと思います。コーキングが使用される部位としては、板間やサッシ廻り等で、細かい部位(軒とのとり合い、帯上、外壁柱、外壁とくっついている物のジョイント部分)まで含めると100メートルを裕に超す長さになるんですよ!家の大きさや構造によってまちまちですが、サイディング使用の30坪くらいのお宅で大体120m~150mのコーキングがありますね。ALCのお宅になると同じ家の大きさでも少なくても400m以上のコーキングが使用されているんですよ!この説明をするとそんなにあるの!?って驚かれる方が多いですね。コーキングのメーター数が多ければ多いほどおのずと金額も高くなっていき塗装工事と合わさると結構な金額になるのでなかなか踏み込めない工事になていると思うのですが・・・。ただコーキングの工事は家にとって一番大事になると言っても過言ではない本当に重要な工事になるんです!塗装業者の中にはコーキングはそんなに傷んでいないので手を付けなくても大丈夫ですとか、傷んでいる箇所だけ補修程度にやっておきますとかいっている業者もいるようですが、大体10年以上経つお家では全ての目地にコーキング処理を行っていくことがとても重要になります。
塗装屋さんとコーキング屋さんは別の職業です
塗装工事に含まれる工事ですが、専門知識や専門技術が必要でコーキング専門にやっている業者もいるくらい本当に難しい工事なんです。現場でコーキング工事を見ているとなんとも普通に作業しているので難しさがわからないのですが、やってみるとこの難しさがわかります。思っているような仕上がりに全くなりませんし、作業時間も職人さんに比べると何倍もの時間がかかってしまいます。まあ当然だと思いますが、本当に難しいのです!!また使用するコーキングにも種類がものすごくあり、使用する場所や用途によって使い分けていきますので、一般の方は理解しがたいところになると思います。
コーキングが使用されるようになった背景
コーキングが使用されるようになってきたのは、サイディングやALCボードなどのパネル式の外壁材が主流になってきた頃から必然的に使用されるようになってきました。昔はモルタル壁が主流で、左官屋さんが時間をかけて作業していましたが、それでは時間がかかりすぎるし、また左官の技術も高く誰でもできる作業ではない為、左官職人も少なかったそうです。一方パネル式の外壁材はモルタル壁に比べると施工性もよくできる職人が多かった為普及してきたそうです。
モルタル壁
パネル式の壁は、一枚板だと家が揺れて動いた時に割れてしまうので、クッション材としてコーキングが合わさり機能しています。日本は特に季節により湿度や気温が大きく変化してきますのでこの変化によりパネルが伸び縮むします。また車通りの多い場所では車が通っただけで大きく揺れたりしますよね。この揺れなんかも吸収するのがコーキングなのです。このコーキングがあるお陰でサイディングやALCパネルが割れずに済んでいるということなのです。モルタル壁はこの揺れを吸収する目地がないので、大きな壁の変化に対応できず日々が入ってしまうというわけですね。
サイディング(パネル式)
コーキングのもう一つの重要な役割が雨じまいです。家の雨漏れの原因の大半がコーキングの不具合によるものだと言われています。家の外壁の下には防水シートと言われるものが張られていて雨がはいっても下地の木材が腐らないように施工されています。しかし、この防水シートもペラペラのシートで、雨漏れしている現場の中をボードを剥がしてみてみると雨水でボロボロになっています。このような状態をみてしまうと、やはり一番外側のコーキングで雨水を侵入させないことがどれだけ重要かがわかります。なので、コーキングを定期的に確認することが本当に大切になりますね。理想は一年に一度は家の周りをまわって確認することですが、なかなか出来ていないのが現状だと思います。確かになかなか家を自分の目で確認するって手間もとられますし難しいですよね。ただ傷みの初期発見ができればその分対応が早くとれるわけですから雨漏れなどの大事にはなりにくいですよね。マストホームは施工後に定期的な点検がありますのでこの点も安心して頂けると思います。
目地補修方法について
コーキングの補修にも方法がいくつかありますので、紹介していきたいと思います。大きく分けると3つの施工方法があります。傷んでいる箇所を部分的に行う部分補修。痩せてしまったコーキングの上に載せるように施工する増し打ち。コーキングをカッターなどで撤去し新しいコーキングを充填していく打ち替えという3つの施工方法があります。基本的に塗装工事と同時にコーキング工事を行うケースがほとんどですが、築10年くらいのお宅だと縦目地は打ち替えでサッシ廻りは増し打ちにすることが多いです。サッシ廻りから雨漏れしていることがわかればここも打ち替えしますが、こういうケースでなければ増し打ちがいいと思います。なぜかというとサッシ廻りのコーキングはサッシに隠れているのもあり、縦目地程傷んでいないケースがほとんどです。表面は劣化しているこうに見えてもさわるとプニプニ弾力が残っていることも多いです。この良い状態のコーキングを無理やりほじくって打ち替えるのはナンセンスですね。傷んでいないものに必要以上の事をやる必要がないからです。お金の無駄遣いにならないように信用のおける業者さんに診断してもらう事がよいと思います。家の状態も見ずに全て打ち替えが当たり前などといっている業者さんもいますが、しっかり自分の目で確認しながら納得できる工法を選びましょう!
目地撤去打ち替えの流れ
①撤去
まず古くなった既存のコーキングをカッターを使って撤去していきます。外壁材に古いコーキングが残らないようにキッチリ取り除いていきます。古いコーキングを取り損ねると、そのコーキング材が劣化し近い将来に剥がれ隙間が開いてしまいます。これではせっかく新しくしたように思っていても意味がありませんよね。
②目地の形状を確認する
ハウスメーカーは目地が深かったり、工務店の家は施工する職人さん次第で幅や深さが全然違います。コーキングを充填していく際に気を付けなければいけないのが、コーキングの性能が十分に発揮する目地幅10mm×深さ8mmという基準値があるので、この基準に出来る限り合うように処理をしていかなくてはいけません。これは家を建てた時に適正な施工をしていれば目地の深さや幅が大きく違ってくることはないのですが、全てのお宅がこうなっていないのが現状です。目地の深さが浅かったり逆に深すぎたり、幅が狭かったりすると界面剥離といってせっかく新しくしたコーキング材が壁から剝れる現象がおこりコーキングのもつ性能を破棄することが出来ません。当然隙間できてしまうわけですから雨水が入ってしまいますよね。これではせっかくお金をかけて施工しても意味がありません。深すぎる目地にはバックアップ材を入れ深さ8mmを充填できるようにしていきます。このバックアップ材はスポンジのようなスカスカしたもので丸や四角の細長いものが主流です。深さが浅い目地に関しては外壁を全て外して貼り直すわけにもいかないので、マストホームズで目地上に板金を張り付けていきます。
施工前の状態です。ハットジョイナーの頭(青いシートの部分)がサイディング側面まで来てしまっています。
コーキングを打ち替えた後に、ガルバリウムの板金を目地の上に上貼りしていきます。こうすることで目地自体を紫外線から保護します。普通塗装ではコーキングの上は塗料でしか保護できませんが、目地が浅い家は目地の機能が十分に発揮できない為、このような工法でコーキングを補助していきいます。この施工をやっている業者さんはほとんどありませんが、マストホームズでは「自分の家だったらどうするという事を常に考えお客様でご提案させて頂いております!!話が少し脱線しまして申し訳ありません。
③ボンドブレーカーを貼る
目地を撤去した際にボンドブレーカーも撤去された現場
新しくボンドブレーカーを貼っていきます。黄色テープです。
コーキングを新しく充填していく際にボンドブレーカーと言われるテープみたいなものが貼られているかを確認していきます!確認方法は、コーキングを撤去した際にハットジョイナーといわれる銀色の部材がありますが、そこの出っ張った部分に青いテープが張られているかいないかで確認します。貼られていない場合や、コーキングを撤去していく際にコーキングと一緒にカッターで撤去してしまった時はボンドブレーカーを貼る必要があります。これはコーキングを施工するうえでとても重要な3面接着をさせないということに繋がり、コーキングを長持ちさせ性能を十分に発揮させるためにはとてもとても重要な工程になりますので、この部分は業者さんにしっかりと確認してください!!といってもこのことを知らない業者さんもいるようなので、知らなかった場合は考えたほうがよいかもしれませんね。
なぜ三面接着でなく2面接着させるのか?
◎
コーキングは隙間を埋め雨じまいするという防水の効果もありますが、外壁が縦横に動いた際に揺れを吸収する箇所でもあります。この揺れをしっかりキャッチさせコーキングを長持ちさせるには、2面接着と言って、両サイドのサイディング側面だけの二面で接着させなくてはいけんません。これが裏のハットジョイナーにまで、コーキングがくっついてしまうと、3面接着となりコーキングが3方向から引っ張られます。こうなるとコーキングの劣化が早くなり早期の破断の原因となります。以上のようなことからコーキングは必ず2面接着になる施工が必要です!!
✖
④マスキングテープで養生する
コーキング材を充填していくと溢れ出ますので、キレイなラインをつくり見栄えよくする為にマスキングテープを貼っていきます。凹凸が深いサイディングなどは、これがしっかり晴れていないとコーキングを充填してマスキングテープを剥がした際に汚い仕上がりになってしまします。また、一本の目地に対し両サイドにテープを貼っていくため、例えば100mの目地をマスキングテープで養生すると200メートのマスキングテープが必要になります。この作業私のやったことがありますが、これだけでまるまる一日かかりました!!いかに早く丁寧に貼るか、この作業一つとっても職人の腕の見せ所なのです。
⑤プライマーを塗布し、コーキングと外壁の接着力を上げる
これもすごく重要な工程で、重要な工程なのに施工していない業者もあると聞きます。この工程はコーキングと外壁材の密着力を上げるために塗布していきます。コーキングを重鎮するだけで触ればベトベトするので、プライマーなしでも十分くっつきそうな感じはありますが、乾けばすぐに剥がれて隙間が開いてしまうのです。外壁材の種類にもよりますが、厚みが7㎜から15㎜のものが主流で、この厚みしかくっついていないので、相当な接着力がないと外壁が収縮したときに隙間が開いてしまいます。これではせっかくコーキングを新しくしたのに意味がありませんよね。現実にプライマーを塗布していない現場は施工してから2~3年で外壁とコーキングの間が離れてしまうことがあるんですよ!施工業者さんには施工写真をとってもらうようにしたほうがよいですね!!
⑥コーキング材を重鎮しヘラで押さえる。
①から⑤までの工程を終えコーキングを打つ下準備ができたら、新しいコーキング材を重鎮していきます。このコーキング材が新しい目地になり、今後の家の収縮した動きを吸収していくわけです。このコーキング材にもアクリル系、ウレタン系、シリコン系などほんとに多くの種類のコーキング材が存在します。ホームセンターのコーキング材コーナーにいっていただくとわかるのですが、ホームセンターだけでもものすごい種類のコーキング材があるんですよ!これを使う箇所用途によって使い分けていくのですから素人の方は何を使用したらよいのかなど全くわからないと思います。なので、コーキング材に関してはほとんど施工業者さんのお勧めになると思いますが、細かく知りたいという方もいらっしゃると思いますので、コーキングの種類に関しては次回のブログで細かく書いていきますので乞うご期待下さい!!ちなみにマストホームズ静岡では変性シリコンといわれる高耐久のコーキング材を使用していますのでご安心下さい!!
⑦マスキングテープを剥がし完成
最後は両サイドのマスキングテープを剥がし完成です。細かく言うとこのテープの剥がし方でもうまい下手があると言われています。急いで剥がすとひげと言われる伸びが出てしまいますので、テープを剥がすだけでも気が抜けません!
最後に….
こうして数多くの工程を踏んで新しいコーキングが完成するのです。一言でいえば「打ち替え」という言葉ですが、細かくみていくとこれだけの工程になるのです。しかし、残念ながら業者によっては打ち替えといっても上記の工程が全て含まれているとは限りませんので、施工業者さんとのしっかりとした打ち合わせや確認が必要になります。マストホームズでは一日一日どこまでの作業をしたか日報を提出させて頂いています。これは共働きの方や施工中になかなかお会いできない施主様に少しでも安心して頂けるように行っています。また工事後には、コーキングだけではなく全工程を写真集にした工程表も提出させて頂いております。これも10年後20年後までお付き合いをさせて頂くための一環として行っております。今回はコーキングという題材でしたが、まだまだマストホームズのこだわりは沢山ありますので、これから少しずつブログでお伝えできればと思います!ご清聴ありがとうございました!!