外壁材の種類とメリットデメリットまとめ
こんにちは!マストホームズ静岡の工藤です。
今回は、外壁材の種類と特徴をお話しさせて頂きます。外壁材には、種類がたくさんありますので、種類のご説明と、特徴をお伝えさせて頂きますので、これからリフォーム工事をお考えの方は、お役に立てて頂ければ幸いです。
サイディングボード
まず、外壁材として非常に多く使用されているものとして、サイディングボードがあります。サイディングボードとは、簡単に言うと「パネル外壁材」です。この板状のパネル外壁材を貼り付けることで、住宅の外壁になり、雨や風から住宅を守ってくれます。
サイディングボードには、大きく分けて4つの種類があります。
窯業系サイディングボード
窯業系サイディングボードは、加工がし易く、デザインが豊富で、価格も比較的安価な為、最も多く使用されるサイディングボードになります。
窯業系サイディング=セメント質材料+繊維質原料+混和材+(水)
窯業系サイディングの主原料は、セメントです。
窯業系サイディングの場合、セメントに「繊維質原料」を加えます。その繊維の補強効果により、厚みが14~20mm程度の薄いボードでも曲げや引っ張りに抵抗する力が増すので、必要な強度が得られます。
また、砂や砂利以外の「混和材」を加えることで、一般のモルタルやコンクリートの比重の1/2以下と、軽量化を図るなどの工夫をしています。
メリット
- 耐震性に優れている
- デザインが豊富
- 加工がしやすい
- 比較的安価である
デメリット
・定期的なメンテナンスが必要(繊維を含むため、防水が切れ、水分を含むと劣化してしまう)
・シーリングが劣化しやすい
金属サイディングボード
金属サイディングは、柄付けされた金属板と断熱効果のある裏打材によって構成された外壁材です。
一貫した製造ラインで工場生産され、仕上がりが均一、塗装仕上げが不要で、軽量で断熱性に優れ、省エネ効果があります。
また、他の外壁材で起こるひび割れ・凍害の心配がありません。
金属サイディングの外壁を使用することにより、大幅な工期短縮を図ることが出来ます。
表面材には以下4種類いずれかの塗装金属板が使用されております。
・ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とはアルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板のことで、アルミニウムを55%含んだめっき鋼板です。アルミニウムの耐久性と亜鉛の犠牲防食作用を併せ持つ優れた鋼板で、従来の亜鉛めっき鋼板と比べて数倍錆びにくいと言われています。
・亜鉛めっき鋼板
亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき鋼板に、焼付け塗装をほどこしたものです。
・アルミニウム合金板
加工しやすく、錆にもとても強い材料です。何よりも軽量なので、建物への負担が少なくてすみます。
・ステンレス鋼板
塗装用原板に優れた耐食性を持つステンレス鋼板を使用しています。非常に錆びにくく耐久性も良く加工しやすい材料です。
メリット
- 耐久性が高い(ひび割れ、凍害の心配が無い)
- 工場生産なため、仕上がりが均一で安定している。
- 軽量なため、建物への負担が少ない。
- 断熱効果がある。
デメリット
・使用する材料によってはコストがかかる。
樹脂系サイディングボード
樹脂系サイディングとは、塩化ビニール樹脂でつくられたサイディングボードです。塩化ビニール樹脂とは、60%が天然塩で40%が石油を原料とするプラスチックとなります。サイディングに塩化ビニール樹脂を使うのは、アメリカやカナダで普及していますが、日本ではあまり普及していません。
日本でのシェアは、外壁塗装の中でも1%〜2%ほどだと言われています。
しかし、塩化ビニール樹脂は、腐食やひび割れが起きにくく、燃えにくい性質があります。また、サイディングボードそのものに色がついているから塗装しなくて良く、耐久年数がメーカーによっては30年と言われるほど長いです。
メリット
- 耐久年数が長い(凍害、塩害に強く、メーカーによっては30年の耐久年数)
- 非常に軽い
- 部分変色しにくい
- 耐凍結性がある
デメリット
- 価格が高い
- デザイン性に乏しい
- 普及率が低い為、施工業者が少ない
木質系サイディングボード
木質系サイディングサイディングボードとは、天然木に塗装を施したもの、木材の小片を接着剤と混合し板状に熱圧成形したパーチクルボードや木質繊維を原料とする成型板の MDF などを言います。 断熱性能など優れた機能を持っています。 一応「木材」ということで、消防法の関係で防火指定のある地域など都市部では使用できないなど制限があります。
メリット
- デザイン性が高い(木にしか出せない暖かみがある)
- 断熱性が高い(熱を吸収しにくい)
デメリット
- 耐久性が低い(水に弱い為、定期的なメンテナンスをしないとカビが生えたり木が腐る)
- 施工業者が少ない
- 木を使用しているので施工費用が高い
- 準防火地域では使えない木の材質がある
サイディングボードにも様々な種類があり、耐久性も価格も様々ですね。窯業系サイディングボードや、木質系サイディングボード等のデザイン性が高いものは耐久性が低く、金属系サイディングボードや、樹脂系サイディングボード等は、デザイン性に関しては少し乏しい部分がありますが、耐久性は高くなっています。それぞれのサイディングボードのメリット・デメリットを把握した上で、お家を建てる際や、リフォーム工事の際のお役に建てて頂ければと思います。
ALCボード
(autoclaved lightweight aerated concrete)
(オートクレーブ養生した軽量気泡コンクリート)
ALCボードとは外壁材の一種で、サイディングボードとは違い、軽石のような質感で、かなり厚みがある外壁材です。ハウスメーカーでは、ヘーベルハウスでよく使用されていることが有名です。ALCボードは、セメント、生石灰、発泡剤のアルミ粉末を主原料とし、 高温高圧蒸気養生という独自の製法による軽量気泡コンクリート建材です。軽さと強度、断熱性をあわせ持ち、現代建築に欠かせない建材として位置づけられています。
メリット
・耐火性が高い
ALCボードは不燃材料で、耐火構造などの仕様や認定を有しています。無機質の原料からつくられるため、万一の火災にも有毒なガスや煙を出すことはありません。耐火性を備えたパネル建材として最も普及しているのがALCボードです。
・強度が高い
ALCボードの内部には、補強材として特殊防錆処理を施した鉄筋マットやメタルラス(スチール製の金網) が組み込まれています。補強材を外壁、間仕切壁、床、屋根など使用部位に応じて配筋することで、使用上十分な強度を発揮します。
・断熱性が高い
ALCボード全体に広がる無数の細かい気泡が優れた断熱性を発揮します。その性能は普通コンクリートの約10倍。空調のランニングコストを抑え、結露の防止など居住性の向上に貢献します。
・防音性が高い
ALCボードは、軽くても音を伝えにくい性質をもっています。他の材料と合わせて使用することなどにより、共同住宅の界壁に使用することも可能です。
ALCボードを使用するデメリット
・ALCボード自体は防水性が低い
ALCボードは防水性が弱いデメリットがあります。コンクリートは「耐水性が高い」と思っている人も多いと思いますが、ALCの場合、内部に気泡が空いている為、内部の気泡に水が浸透し耐水性が低下してしまいます。防水性に関しては、外壁材ではなく、表面に耐久性の高い塗装をすることや、耐久性・防水性が高いシーリング材を使用することで防水を長い期間保てるようになります。
ALCボードの防水性については、外壁ではなく塗装によって防水性を高めています。その為、塗装が剥がれてしまったり、劣化した場合、水が浸食してきますので早めに対処する必要があります。また、ALCボードはパネルですので、シーリング材で隙間を埋めています。シーリングが劣化するとパネルの寿命を縮める原因になるので、定期的なメンテナンスが必要になります。
断熱性・耐火性・防音性が高いなどメリットが沢山ありますが、防水性が低いパネルですので定期的に点検・メンテナンスを行う必要があります。
ALCボードは防水性以外の面では、優れている部分が多く、非常に良い外壁になります。特徴としてはALCボード自体が分厚く、気泡のような穴が空いているため、軽量性、断熱性、防音性が非常に高いです。また、コンクリートな為、耐火性も高くなっております。しかし、唯一の弱点は防水性の低さです。ALCボードはコンクリートになりますので防水性は高そうですが、気泡のような穴が空いているため、水を吸収してしまいます。防水が切れた状態が続くと外壁材の劣化につながりますので、定期的な塗装工事、シーリング工事が必要になります。ALCボードを外壁材として使用する際は、必ず定期的なメンテナンスが必要なことを理解してからにしましょう。
モルタル壁
モルタル壁とは、ラス(網の針金)等の上からモルタル(水・砂・セメントを混ぜたもの)を左官コテで塗り付けて、その後、塗装して仕上げるのが一般的なケースです。 モルタル壁は、1980年代までの日本の一般住宅の外壁に多く使われ、築25年以上の一般建築物によく見られます。
今は、サイディングボードが住宅の外壁の多くの割合を占めていますが、一昔前に住宅の外壁材としてよく使われていました。
1980年頃に建てた私の実家(沼津市)の外壁もモルタルです。1990年以前に建築された住宅はモルタル壁が非常に多いそうです。ただ、最近の一戸建ての住宅では、サイディングボードを非常に多く採用しています。モルタル壁は味わいがあるところは良いですが、ひび割れが発生しやすいなどのデメリットがあります。
メリット
- 質感が良く、味わいがある
- サイディングボードのような継ぎ目が無い
- 職人が塗る為、様々なデザインが出来る
デメリット
- 工程が多くコストがかかる
- ひび割れが発生しやすい
- 防水性能が低い
- 汚れが付着しやすく、目立ちやすい(ザラザラしている為)
モルタル壁は質感が良い外壁材ですが、最大の欠点がひび割れが発生しやすいことです。モルタル壁の場合築20年を越えてくると、かなりの高確率で何らかのひび割れは発生すると思って頂いたほうが良いと思います。ひび割れが発生すると、そこから雨水が内部に侵入する可能性があります。サイディングボードの場合では、施工ミスがある場合や、かなりの劣化が進まない限りはひび割れが発生するケースは少ないです。いくつものパネルが組み合わさっていて、接合部にはシーリング材が入っていますので、地震などの揺れにも強く、衝撃が分散されるため、ひび割れが発生しにくいです。現状、モルタル壁の外壁を使用されている方で、ひび割れが気になる方は、サイディングの上貼り工事もお勧めです。長持ちする素材を選べば、上貼り後のメンテナンスも必要ありません。
タイル
タイルとは、建設資材の一つで、壁や床の保護、あるいは装飾用に多数張りつける板状のものを言います。
材質は、陶磁器、コンクリート、プラスチック、大理石など各種あります。陶磁器のものは、建物の外装や、浴室、洗面所などの内装に、コンクリートのものは、歩道の舗装用などに、 プラスチックのものはPタイルと呼ばれ、オフィスなどの床にそれぞれ用いられます。また、漆喰の特性を生かしたタイルも開発されています。外壁には、主に陶磁器のものが使用されます。
タイルを外壁に貼る工法は、主に2種類あります。
それは、サイディングと同様のパネルを下地板とした乾式工法と、モルタルで下地を作り、その上からタイルを貼る湿式工法です。
メリット
・高級感がある
外壁にタイルを使用するメリットとして、まず、見た目の高級感が挙げられます。土や石を固めて高温で焼き固めた外壁タイルは、独特の風合いを持ちます。
・耐久性が非常に高い(メンテナンスが楽)
これは、タイル自体、非常に硬くて傷や摩耗がつきにくく、紫外線による変色や褪色といった経年劣化もほとんどないからです。
さらに、ほとんど吸水しないので、汚れにくく、雨の影響を受けにくい素材になっています。ほかの外壁材と比較しても、非常に優秀です。
また、正しく施工されれば、20年~30年以上の耐久性を発揮します。
デメリット
・価格が高い
外壁タイルのデメリットとして、工事にコストがかかってしまうのが1番のデメリットと言えます。材料費用が、基本的には他の外壁よりもかかる為、初期費用が非常にかかります。
レンガ
レンガは、粘土や頁岩(けつがん)、泥を型に入れ、窯で焼き固めて作られた外壁材です。レンガの寿命は、メンテナンスなしで100年以上と言われていますが、実際には欠けたり、色あせするのでするので、全くメンテナンスがいらないというわけではありません。
レンガは、耐震性、断熱性、耐火性、遮音性にも優れています。これは、素材そのものが丈夫なのもありますが、通常の外壁材の厚さが約12〜20ミリなのに対し、レンガは厚さが約70~90ミリもあるためです。
メリット
・耐久性が非常に高く、メンテナンスに費用がかからない
レンガは雨風や紫外線に非常に強く、カビも生えにくい為、耐久性が非常に高いです。また、積み上げの工法に限りますが、下地、土台が傷みにくいという特徴もあります。直接、下地や土台と接していないので、外壁内部に侵入した水分などが悪さしにくくなります。それゆえ、初期コストはかかるものの、できあがった後のメンテナンスはほぼ不要になります。ただし、モルタル(目地)の防水処理などは定期的に行う必要があるので注意が必要です。
・見た目の劣化が少ない
レンガは、色ムラ、欠損、汚れなどが発生しにくく、見た目が汚くなりにくいです。
・耐熱性、蓄熱性に優れている
レンガは内側に気泡がたくさんあり、ペアガラスと同じ原理で、空気の壁が構築されます。空気の壁は断熱効果がある為、夏涼しく、冬暖かいという効果が発揮されます。
・耐火性に優れている
レンガ造りの外壁は耐火性に優れています。レンガは土でできているので、火には強い特徴を備えています。
デメリット
・丈夫すぎる為、リフォームが難しい
レンガ造りの外壁は、とても丈夫です。積上げ工法では、下から一段一段と丁寧に積み上げていくので、かなりの強さを誇ります。リフォームにおいては、その丈夫さがあだになります。
一部補修をしようにも、モルタルによって固められていて、部分的な除去も難しい傾向にあります。部分的にリフォームしようと思っても、大掛かりになってしまい、大きな費用がかかってしまうことがあります。
・蓄熱性の高さによるデメリットがある
レンガ造りの外壁は、内側に取り込んだ熱を8時間~10時間は逃がさないといわれます。夏場に問題になりやすく、昼間に取り込んだ熱がレンガの中にとどまってしまう為、夜になり外気の気温が下がっても、家のなかが暑くなってしまう傾向があります。
・施工にコストがかかる
モルタルの乾燥に時間がかかったり、手間のかかる作業になる為、どうしても坪単価が高くなってしまいます。メンテナンスに費用があまりかからないメリットはありますが、初期費用としては大きい費用のかかる外壁になります。
いかがでしたでしょうか?今回は様々な外壁の種類とその特徴、メリット、デメリットをお伝えさせて頂きました。リフォームをお考えの方や、これから新築をお考えの方は、それぞれの外壁材の特徴をしっかりと理解したうえで選ぶようにしましょう。