アスファルトシングルについて
こんにちは!マストホームズの工藤です!
今回はアスファルトシングルについてお話しさせて頂きます!
日本ではあまり使用される事の無い屋根材ですが、アメリカでは8割以上のシェアを占めている屋根材です。ハリウッドの映画などで出てくる屋根は、ほとんどがアスファルトシングルの屋根材になります。最近、弊社ではアスファルトシングルの塗り替えをさせて頂く機会があったので、今回はアスファルトシングルについてお話しさせて頂きます!
アスファルトシングルとは
アスファルトシングルとは、グラスファイバー(ガラス繊維)を基板にアスファルトをコーティングし、表面が傷つかない様に石粒(砂等)を表面に施した屋根材です。セメントなどの硬い成分を含まないので、柔らかく自由に曲げることが出来ます。イメージとしてはカーペットのような屋根材になります。曲線(丸形)の屋根にも施工が可能です。今現在、静岡で多い屋根材であるカラーベストコロニアルや、陶器瓦、セメント瓦、洋瓦、ガルバニウム鋼板屋根、トタン屋根等とは、材質がかなり違います。しかし、柔らかいといっても防水性能、耐久性においてはカラーベストやセメント瓦に劣らない性能を持っています。
何故、アスファルトシングルの防水性が高いのかと言いますと、アスファルトシングルとは、一言で言いますと、「防水シートが仕上げ材になった屋根材」だからです。
アスファルトシングルはカバー工法で使う事が出来ます。アスファルトシングルの上に新たにアスファルトシングルを重ねる施工も可能です。また、静岡で最も多い屋根材であるカラーベストコロニアルの上に重ねることも可能です。実に多様性のある良い屋根材です。
アスファルトシングルの施工方法は、下地に接着剤で貼り付ける方法と、釘で打つ方法があります。重さは瓦の5分の1ほどなので耐震性に非常に優れ、防水性、耐久性にも優れます。
アスファルトシングルのデメリットとしては、耐火性が非常に低い点です。たしかに、陶器の瓦や、セメント瓦に比べて、アスファルトシングルは防水シートのようなものなので、耐火性に弱いのはイメージしやすいと思います。アスファルトは通常、燃焼しやすく、防火地域では使用できない屋根材でした。そのため不燃化された商品もありましたが、今まで一般的には普及しませんでした。様々な部分に使用が出来、万能に見える商品ですが、良いところばかりではないという事です。
アスファルトシングルのメンテナンスにいて
アスファルトシングルは稀に、屋根材が剥がれ落ちてしまうことがあります。築年数が浅いお宅でこの症状が出た場合は、施工不良が考えられるので注意が必要です。築20~30年経過している場合は接着剤の経年劣化が考えられます。色が落ちてきてしまっている場合や、石が落ちて下地が見えてしまってしまっている場合は、見栄えがかなり悪く見えますので、メンテナンスをお勧めします。
アスファルトシングル屋根材の、メンテナンスの方法は大きく分けて3つありますので、紹介させて頂きます。
①塗装
最も費用がかからないメンテナンスの方法として塗装工事があります。しかし、アスファルトシングル屋根を塗装工事する場合は、とても気を付けなければいけないことがあります。それは「油性塗料は塗ってはいけない」事です。溶剤系(油性)塗料を塗った場合、アスファルトの成分が溶けてしまう可能性がありますので、アスファルトシングルを塗装する場合は必ず水性塗料を選ぶようにしましょう。
ただし例外として、屋根材表面に天然砕石仕上げとなっているアスファルトシングル屋根材の場合は、定期的な清掃のみのメンテナンスで、塗装工事をする必要はございません。
②カバー工法
既存のアスファルトシングル屋根材の上から施工する方法です。アスベストの含まれるカラーベストコロニアルを使用しているお宅では必ずと言ってもいいほどこの方法が使用されます。(既存屋根材を撤去するような工法だとアスベストが空気中に飛散する可能性がある為です。)カバー工法のメリットは廃材の発生量が少ない為、葺き替えに比べ工事費用が安く済むのがメリットと言えます。
また、既存の屋根材の上に新たな防水層が出来ますので、防水層が2層になりますので、より安心して頂くことが出来ます。しかし、既存屋根材の劣化があまりに進んでいる場合は、全面撤去をした方が良い場合があります。
③葺き替え工事
既存のアスファルトシングル屋根材を全面撤去し、下地調整をした後、新規屋根材を施工する工法です。一般的に葺き替え工事と言われる工事です。
廃材処理費などがかかり、屋根の工事では最も高額な工事になります。既存屋根材の劣化が進んでいる場合に施工される工法となります。場合によっては、野地板の増し張り等、木部の補修等が必要な場合もありますので、余計な費用を掛けない為には、早めのメンテナンスの計画が重要になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?アスファルトシングルは、静岡ではあまり多く使用されてない屋根材ではありますが、ハウスメーカーによってはよく使用しているメーカーもあります。弊社としてもつい最近アスファルトシングル屋根材の塗装工事を水性の塗料で施工させて頂きました。施工性や、防水性に優れる一方、耐火性が非常に弱い等の弱点も兼ね備えた屋根材です。良い面も、悪い面もある商品にはなりますので、特徴をよく理解した上での使用をお勧めします。
アスファルトシングルの種類とメーカー
シングル(田島ルーフィング株式会社)・・・焼成形色砂を仕上げに使用しているシリーズ。最もポピュラーなタイプになります。
ロフティ(田島ルーフィング株式会社)・・・シングルのハイグレード商品。ガラス基礎で期待耐久年数は25年。表面は天然石仕上げになります。
アルマ(ニチハ株式会社)・・・2層構造のガラス基礎で表面は天然石仕上げ。カラーベストコロニアルへのカバー工法の際に使用されることが多いです。
リッジウェイ(旭ファイバーグラス株式会社)・・・2層構造のガラス基礎で表面は天然石仕上げになります。
オークリッジスーパー(オーウェンスコーニングジャパン合同会社)・・・2層構造のガラス基礎で表面は天然石仕上げとなります。