塗膜の劣化について
こんにちは!株式会社マストホームズ静岡の田中直と申します。
11月も後半になり、いよいよ冬らしくなってきました。塗装は寒くなると水性塗料は凍ってしまったりと嫌な要素がたくさんありますが、逆に乾燥しているため、夏場などに比べると塗料の乾燥も早く作業性もアップするのでそういう意味ではいい季節だと思います。ただかなり寒いので職人さんはとても大変な季節です。
今回は、塗膜の劣化に関してお伝えしたいと思います。塗膜とは、塗料を外壁に塗装して固まった状態をいいます。単純に塗料が膜になった状態だから塗膜といいます。塗料は当然ですが、そのままの液体の状態では防水性はありません。塗料が固まって膜になってから防水性が出てきます。塗料が塗膜にかわるためには、塗料の中の水分や、シンナーなどの有機溶剤が気化することが重要になります。そのため、塗料には1液水性反応硬化型と書いてあったり、2液ターペン可溶反応硬化型とかいてあったりと必ずそのような表記があります。
話はそれましたが、塗膜はそのように形成されます。そして劣化するメカニズムとしては、前回シーリング材でもお話ししましたが、塗料も外壁専用の塗料に関しては、弾力性があるものが多く採用されています。これは、家屋の揺れに対して、塗膜が固いと塗膜が揺れに耐切れず割れてしまって防水性がすぐになくなってしまうからです。塗料の多くは樹脂という有機物質を添加して製造されています。樹脂は簡単に置き換えるとゴムです。ゴムのためとても柔らかく、塗料が塗膜にかわるとぶよぶよとして爪を立てるとあとが残るほど柔らかくなります。その柔らかさの正体が可塑剤といわれる物質です。可塑剤は、そのものに柔軟性をあたえるために採用されており、この世のゴム質のものには全て入っているといっても過言ではありません。
この可塑剤が太陽の紫外線により塗膜からどんどん抜けてしまいます。可塑剤が抜けてしまうと塗料は堅く硬化してしまいます。そうすると塗膜が裂けてきてしまい、目に見えない範囲で無数に裂け、塗膜自体が痩せてしまいます。可塑剤が抜け樹脂量がへると、外壁を手で触ったとき、塗膜内部の顔料が触れるようになります。よく外壁を触って手に色がつくと塗装をし直す時期だと言われていますが、実はそのような過程をふみ、結果、顔料が触れるようになります。例えば皆様もガードレールを触って手が真っ白になったご経験はあるかと思いますが、それがまさしく塗膜の劣化になります。ガードレールもつけたばかりはピカピカでツルツルですが、年数が経つと、ピカピカの艶が無くなりカサカサのマッドな感じになってしまいます。そうすると内部の鉄がさびてしまい、茶色の錆色がでてしまいますよね?それが外壁の場合、サイディングが雨水を吸水し、サイディングが反ったり、割れたりと不具合がでてきてしまいます。
塗膜は外壁を雨から守るレインコートの様なものです。太陽の紫外線でレインコートがボロボロになってしまった状態を想像して頂ければと思います。体は濡れ、風邪をひいたりと内部に影響が出てしまいますよね?
塗膜の劣化の時点では、お客様としてはまだ塗装工事をやる気が起きないという方がとても多い印象です。実際、塗装工事は100万前後の金額がかかることが一般的ですのでなかなか手が出せない工事だと思いますが、外壁に不具合がでる前に是非ご検討を宜しくお願い致します。