チョーキング現象|塗装のメカニズム
こんにちは!マストホームズ静岡の田中です。
5月だというのに夏日が続き、夏本番が思いやられますね、、、私たち工事会社は、夏の暑い時でも、冬の寒い時でも関係なく外での作業ですので出来れば過ごしやすい日が続いてくれればと思います!ただの愚痴のようになってしまいましたので、切り替えて今回は『チョーキング現象』についてお話しさせて頂きたいと思います。
チョーキング現象とは?
チョーキング現象とは、塗料の防水性が切れることで起きる現象で、内容としては、外壁を手で触ると外壁の色が手につく現象です。
塗料の防水切れは外壁にとって最も大きなダメージを与えます。
静岡県では、耐震性に優れたサイディングボードやALCボードが多い。
そのどちらも雨水をよく吸収してしまう素材ですので、このチョーキング現象が出た時点で、外壁の塗装をご検討頂きたいと思います。
チョーキング現象のメカニズム
塗料が何で構成されているのかを紐解くとその原因がわかります。
外壁用塗料は、主に『樹脂』といわれる防水性があるゴム質の素材に顔料を入れてつくられています。もちろん他にも添加物など様々な薬剤や素材が混入されていますが、ほとんどが樹脂と顔料でできているといって間違いではないと思います。
その樹脂が太陽の発する紫外線で劣化し、減ったり、裂けたりして中の顔料が触れる状態をチョーキング現象といいます。
最近は、樹脂にセラミック(ガラスコーティング)等の無機系素材を混入した塗料が発売されてきており、紫外線からいかに樹脂を守るかということに注目が集まっています。
なぜ紫外線に弱いゴム質の樹脂を塗料に使わなければならないかというと、それは外壁に塗る塗料はとても薄く、約2mmほどと言われています。いくら強靭な膜でも硬くては、地震や車両、電車などによる揺れで家屋がゆがみ、それに対応できずに裂けてしまいます。
そのため、外壁用塗料には弾力性が必要不可欠となります。
紫外線には弱いですが、良く伸びる樹脂が採用されています。先で述べたセラミック系の添加物を使用して耐久性を向上した塗料もセラミックのみで形成してしまうと、紫外線では全く傷まない塗料を作ることはできても、揺れのある家屋には適さない塗料になってしまうため、樹脂ベースの塗料にある程度、添加物として使用するほかありません。しかし、塗料もたの製品と同様に、ここ10年で飛躍的に進化していますので、これから10年でさらに傷まず柔軟な塗料が出てくるかもしれませんね。
一般生活にもある現象
ガードレールを触って手が真っ白になった経験はあると思います。
あれがチョーキングです。
ガードレールも新品の状態はピカピカしていてキレイですが、年数が経つと、ピカピカとしていた艶が消え、塗膜を触ると顔料が触れるようになってしまいます。
よくみる光景と原因
20年以上放置されたガードレールは塗膜の中の鉄板が錆びて茶色いサビ汁が出てしまっている光景をご想像頂けると思いますが、外壁も同じようにチョーキングが起きると雨水を吸収し、サイディングボードの場合は反ったり、割れてしまったりといった不具合が起き、モルタル壁やALCボードの場合は内部のラスという金網がサビてサビ汁が出てきたりします。チョーキングは全ての傷みのきっかけとなる現象ですので十分注意してご自宅の外壁をチャックして頂ければと思います。
その他の注意点として、セラミック系のクリヤー材がプリントされたサイディングボードが近年出回っていますが、こちらは、触ってもチョーキングが付きませんが防水性は切れてしまっていますので10年を過ぎたら業者に確認してもらいましょう。
塗料の耐久性に関して
塗料が外壁に塗装されてから、チョーキングが出る=防水が切れるまでの年数は、その塗料のカタログを見ると書かれています。今回はついでにこちらについても書かせて頂きます。
皆様に見て頂きたいのは、JIS規格の検定、JIS A6909という項目の試験結果です。これからの話は多少マニアックですので、面倒な方は、そっとページを閉じて頂ければと思います。
このJIS A6909試験とは、促進耐候性試験といわれ、塗料を早く傷ませ、その後の塗膜の状態を計測した試験です。信頼できる塗料メーカーは殆どこちらの試験を使用しています。この試験にはサンシャインウェザーメーターいう機械を用います。これは、太陽よりも強い紫外線を発生させ、風雨も充てられる試験機で、その中に塗料を設置し、その中で何千時間耐えたかで結果を計測します。
こちらの試験では、主に光沢保持率という塗料の光沢が残っている具合を測定しますが、これが塗料の防水性とほぼイコールです。先でも述べた様にガードレールは新品の状態ではピカピカ(光沢がある)、年数が経つと艶がなくなる(光沢がない)状態になります。つまり、光沢=防水性なのです。
そしてこの光沢保持率が80%を切ってしまったところで試験は終了です。なぜ0%まで計測しないかというと単純に時間がかかるからです。なぜなら、現状最も防水性が持つとされているフッ素系の塗料では、光沢保持率80%を切るのは機械にいれてから4000時間後になります。24時間機械に入れっぱなしでも166日間計測しなくてはなりません。それを0%まで計測していたら1年以上かかってしまいます。これだけ強い紫外線を出す試験機ですので、1年稼働しっぱなしにすると想像を絶する経費が掛かるんだと思います。
もちろん試験結果は80%の光沢保持率の結果しか出ていないため、そこで塗料の防水性が切れるわけではありませんが、あくまでも目安として塗料を見比べるためには使用できると思います。
各樹脂の試験結課
最近では、シリコン樹脂塗料という種類の塗料が頻繁にしようされています。こちらの樹脂の促進耐候性試験の結果は、約3000時間と言ったものが多いと思います。各メーカーから様々なシリコン樹脂塗料が出されていますので、多少の違いはあるかと思いますが、塗料の耐久性の肝となるシリコン樹脂自体は、同じシリコン樹脂メーカーから買って塗料メーカーが塗料を作っているそうなので、そこまで違いはないと思います。
そして肝心なのは、この3000時間という結果は、実際、自然界では何年に相当するのかということです。JISの正式発表はありませんが、塗料業界の常識として促進耐候性試験の200時間から250時間で自然界の1年とされています。ですので、3000時間を200で割ると15年、250で割ると12年ということになりますので、シリコン樹脂塗料は防水効果が80%になるのは12年から15年となります。続いて、フッ素樹脂塗料は4000時間ですので、200で20年、250で16年となりますので16年から20年で80%になります。
この2つが巷で使用されている塗料ですのでこれだけ抑えておけばいいと思います。シリコンなら15年、フッ素なら20年くらいは防水性が持ついうことです。
塗料のカタログには載っいることが多い試験結果ですので今塗装をご検討中の方は是非ご覧ください。というかこの説明をしない塗装店はプロとはいえませんので説明がなかった場合はご注意下さい。
ちなみに、今までに内容から私たちのおススメする塗料は、日本ペイントのファイン4Fセラミックです。この塗料は、塗料最大手の日本ペイントの製品というだけでも信頼にたると思いますが、フッ素の中でもセラミック配合でさらに耐久性が向上しています。無機物であるセラミックとのハイブリット塗料のため、静電気もおきづらく、外壁についた誇り等も雨水で洗い落ちます。塗料の促進耐候性も4000時間をもちろんクリアしていますし、現状全てのフッ素樹脂塗料の中で最もお勧めしたい塗料です。
他にはシリコン樹脂塗料でいえば、ファインシリコンフレッシュです。こちらも日本ペイントの塗料ですが、これはシリコン樹脂を使用し、耐候性試験結果は3000時間、カタログにもバッチリ記載されています。私自身10年前にこの塗料で塗装したお家が、今でもピカピカとして塗ったばかりの様な仕上がりで感動しました。10年経ってきれいというだけでとてもオススメ出来る塗料だと思います。
ここまで日本ペイントびいきだと、日本ペイントの回し者だと思われてしまうと思いますが違いますのであしからず!もちろん各メーカー様々な塗料がされていますので、その中で試験結果等を見ながらお気に入りの一つをお選びいただければと思います。
家を建てた後に雨だけでなく、海が近いエリアでは、塩害も表面に付着していきます。
1つ1つは、別に人の目に残るようなものではない。
多くの人には知識がありません。
建物に白い粉や粉化した何か今までとは別のものが付着している。
建物にこんなわかりやすい何か具体的な症状が出てきた時に初めて気が付く。
- 修繕の時期がわからない
- 汚れの原因がわからない
- 適切な処置方法がわからない
- 分解洗浄みたいなことはできるの?
このような素朴な疑問があったら、早めにご相談ください。
早期発見と早期の対処によって適切な対処が可能になります。
事態が悪化する前のほうがもちろん価格も安いメニューで対応が可能なケースがあります。
あくまで事例をただ記事で探すだけでは不十分。
自分では見つけられなかった壁の剥がれや今の家の具体的な修理のサインを見逃してしまうのもリスクです。
家のトラブルは、まとめて対処するよりも何か起こりそうな時に早めに診断を行うことが重要。
事態が進んで何か起こってからよりも台風や竜巻、ゲリラ豪雨等に備えが必要な時代。
お気軽にいつでもご相談ください。
以上、今回はこの辺で失礼します。