相見積の注意点について
こんにちは!マストホームズ静岡の田中です。
本日3つ目のブログ投稿ですが、前の2つの記事、『秋は塗装のおすすめ時期です』と『不良工事について』も塗装工事をされるにあたってとても参考になると思いますので是非ご覧ください。
そして今回は自分が塗装店の従業員だということを棚に上げてお話させていただきたいと思います。この話は、ある種、愚痴ともいえることですが、ご理解いただければお客様にとってもプラスになることですので、是非ご覧いただければと思います。
まず第一に近年多くのお客様が塗装工事をする際にまず『相見積』をとられます。実際に相見積をとることは、冷静に業者を選定するためにも、相場を知るためにも、業者ごとの様々な見解を知るためにも、金額交渉をするためにもとても簡単で効果的な手段だと思います。弊社でも相見積を3社とることをおすすめしたりしていますが、今回は相見積によって起きてしまうマイナスに関してお伝えしていきたいと思います。
たとえば、私自身が最近遭遇した案件でいうと、3社相見積でその中の1社がお施主様のお親戚、もう1社がご主人様のお仕事関係のお客様だったそうです。そしてそのお家は屋根がスレート瓦(カラーベスト)でできており、それがかなり劣化していました。築年数も20年弱ということで自然劣化もあるかと思いますが、スレート瓦はその時期アスベストが問題になり、アスベストを抜いた無石綿スレートに変わった時期で中には粗悪な商品もありますのでその商品を確認すべきでしたが、新築時の施工書類がどこにあるかわからないとのことでした。他社さんからも屋根の痛みが異常だといわれていたそうでしたが、その中の一社が屋根の補修が35,000円と出ていました。本来なら屋根が異常なほどに劣化しているため、今の屋根に対して新しい屋根材を重ねるカバー工法という工事をするのが得策です。しかしそれには屋根を被せるだけで40万ほどかかってしまいます。そちらの方がいい工事とはいえ、約3万で済むのか40万かかるのかは大きな違いがあります。
皆様はどうお考えになりますか?
ちなみにこのお客様は35,000円の補修で出てきた見積の業者さんに『ほかの業者はカバー工法がいいと言っていたが、補修で大丈夫か』と確認をしたそうです。もちろん業者は問題ないと答えます。となるとお客様としては少しでも安い補修で話を進めることになります。私たちも補修で見積をし直しました。カバー工法で意固地になっていても不成約は確定的ですし、契約を頂くためには仕方のないことですが、結果、補修でご契約を頂き着工すると、塗装のために高圧洗浄を当てた際に屋根の部材が吹き飛び、到底塗装ができる状態ではないため、結局カバー工法での再提案になりました。もちろんお客様は契約時に約3万で済むと思っていたものが結局40万円かかってしまうことにより、契約時と話がちがうと残念な気持ちになっていらっしゃいました。
お客様としては、もちろん金額ですべてを決めているわけではありませんが、少しでも安くあげたいと思う気持ちがあるのは当然です。業者としても、ご契約いただけなければ全ての努力が水の泡になるため、相見積となれば他社よりも少しでも安く、ギリギリを目指していくのも当然です。
お家の痛み具合はそれぞれですし、失礼な言い方ですが、素人のお客様がどの工法が今の家の現状に適しているかなど、わかるわけがありません。相見積の中で、どうしても自分のお財布にやさしい工法、金額を提示する業者さんにいってしまうことは当然ですが、できれば工法は最上級のものをご検討いただきたいと思います。私たちとしても高い金額を奪い取ろうとして上のランクの工法を選んでいるわけではなく、専門的な経験と知識からあとあとお客様が公開しないよう、『こうすべき』と思って提案していますので…。
このように相見積に関しては、各業者の契約を取りたいという思惑から行き違いが起こり、結果、残念なことになることもあります。私自身、相見積の存在があるために本来提案しなければいけない工法を金額的な意味で提案できなかった経験は五万とあります。もちろん私だけを信用していただき、金額関係なしに考えていただける方も中にはいらっしゃいますが、私も逆の立場であればなるだけお金をかけたくないと思いますので、たとえば専門外の車の修理などは交換か補修の選択を迫られればなんとか補修で済まないかと業者に確認するでしょう。補修で大丈夫といってくれる業者がいればそちらになびいてしまうとも思います。
外壁塗装工事も含め、リフォーム工事は明確な答えがない工事だと言えます。おうちそれぞれ違った傷みかたをしていますし、当然リフォームをする築年数も違います。それに応じて『この方法が良い!』という正解は、金額的な面を含めるとないのだと思います。私は工事を受注した限り、向こう10年以上責任を持てる工事を提案させていただくつもりですが、相見積をされる場合、内容がシンプルな塗装工事以外は特にご注意ください。
以上今回は私が日々営業活動を行っている中で感じる相見積の問題点でした。ご参考になれば幸いです。