シーリングのお話

こんにちは、マストホームズ静岡の田中です。年末も近づいてきておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?今年はマストホームズ静岡は2年目の年でした。昨年、4月に駿河区西脇で開業した塗装店は、先月までに300件近くのお客様にご指示を頂き、しっかりと地域に根付きつつあると自負しております。それも、もちろん、ご協力頂いたお客様や近隣の方々、職人や塗料メーカーや隣のお花屋さんなど、様々な方のお力添えがあってこそだと思います。社長の南出と営業の小西と私、3人で右も左も分からず、『良い工事を安く提供して、地域に愛される、子供に胸を張れる会社をつくる』と勢いで始めた私たちでしたが、自分たちの考え方が、ここまで多くの方々を巻き込み、大きく出来たこと嬉しく思います。それに加えて、巻き込んだお客様を10年先も安心して住んでいけるお家をこれからも点検をしっかり行い、提供していきたいと思います。そもそもマストホームズ静岡に任せて良かったと思って頂くことが、私たちがこの会社を作った意味であり、存在意義だと思っています。口先だけのきれいごとにならない様に、工事をやっておしまいではなく、やってからもしっかりとお付き合いをさせて頂きたいと思います。年末のご挨拶で、過去にご協力頂いたお客様にお家にお伺いさせて頂いた際にも、外壁に異常はないかを見させて頂いています。万が一、不良が生じた部分があれば無償対応を行うつもりでいます。塗装工事は、人生に多くて2度の工事になります。金額も100万がざらな工事です。多くの方が、知識が全くないため、しっかりと判断できずに契約をしてしまうことになります。そこで重要になってくるのが、業者に信用度(知名度)、実績数、近隣でどれくらい工事を行っているか、です。もちろん、塗料の成分や単価、施工方法、施工単価等の知識があれば、はっきりとその業者が優良店か否かは判断できますが、ほとんどの方が信用面で選ぶほかないため、重要視される方が多くなります。私たちも精一杯塗装の知識をお伝えしますが、100は伝えることがo-to出来ません。もちろん私が10年かけて覚えた知識が、1時間で伝わる方がおかしいですが…。皆様の信頼を勝ち取るために、工事にご協力頂いた方に絶対にご満足いただけるように頑張ります!!!

年末のご挨拶が長くなりましたが、今回は、シーリング工事についてお伝えしたいと思います。シーリング工事に関して重要なのは、①シーリングの種類、②シーリングの打ち方です。シーリング工事は、外壁塗装工事をする際に必ずといっていいほど必要になる工事です。近年、静岡県では、サイディングボードという板を張り付けた外壁が新築に9割を占めています。板と板の継目には必ずシーリングが打たれています。シーリングは板を張り付けてから打つため、むき出し状態です。10年も経つと亀裂が入り、交換が必要になります。そこでの注意点をお伝えしたいと思います。

①シーリングの種類

シーリングには各メーカーそれぞれ様々な種類のシーリングを発売しています。シーリング材の数は、各社合わせると50種類を超え、その性能も差があります。各業者、自分たちの信じるシーリング材があるため、それぞれがおすすめする理由がありますが、一番性能の差をわかりやすく見分けられるのが『促進耐候性』です。これは、JIS規格(日本工業規格)が推進している加速試験です。各メーカーの各商品がこの試験を採用しており、とても見やすく、そのシーリング材の耐久性をわかりやすく表示してくれています。促進耐候性試験とは、サンシャインウェザーメーターという雨や熱、紫外線等の劣化の原因となる事象を起こすことのできる装置に対象物を入れ、劣化度合いを計測する試験です。この機械では、200時間≒1年としております。つまりこの試験で2000時間は、自然界で10年といわれています。その試験で、最上級の結果を出しているのが、オート化学工業株式会社の『オートン イクシード』という材料です。

オートン

まず、上の試験結果をご覧頂きたいと思います。オートンイクシードは、6000時間の促進耐候性試験でも劣化が認められていません。6000時間とは、自然界での30年という脅威の耐候性です。私は、塗装業がメインで仕事をしており、サンシャインウェザーメーターは塗料にもよく用いられるため、この数字の凄さがとてもわかります。塗料で最も持つ樹脂は、フッ素樹脂、その中でも最高級の4フッ化フッ素の塗料でさえ、4000時間がせいぜいです。もちろん塗料とシーリングでは、厚みが違うため、シーリングの方がもって当たり前ですが、それにしても、30年経ってもなんともないシーリングなんて、今まではありえませんでした。現在の新築住宅は30年から35年で建て替える方が多いという統計が出ていますので、築10年で一度、シーリングをこのイクシードへとやり替えたらもう一生やらなくてもいいといっても過言ではありません。

では、何故イクシードは、そこまでの耐候性を手に入れることが出来たのか?そのキーワードは『可塑剤』です。可塑剤とは、シーリングの肝ともいえる成分で、シーリングを柔らかく保つために使われています。外壁は、振動によって動いたり、日中と夜中の気温差によって伸縮、膨張をしています。シーリングは、それにくっついていかなければならないため、柔らかさ(追従性)が必須となります。そのために、従来のシーリング材には、柔らかさの元になる可塑剤が例外なく使用されていました。しかし、可塑剤は、紫外線によりシーリングの中から出ていってしまう性質があります。これが劣化の原因となります。皆様も、輪ゴムを日に当て続けると硬くなり、伸ばすと切れてしまうイメージはして頂けると思います。輪ゴムにもこの可塑剤は使用されています。可塑剤が抜けてしまうと、そのものから柔らかさが失われてしまい、ちぎれてしまうようになります。

しかし、オートンイクシードは、その可塑剤が全く含まれていません。オート化学工業が、開発した『L.S.ポリマー』が可塑剤を使用しないで柔らかさをシーリングに付与することができたのです。L.S.ポリマーは紫外線でシーリングの外へと出てしまうことはなく、結合し続けます。そのため、30年経っても打ったばかりのシーリングの状態が持続できるのです。30年経っても伸び縮みする輪ゴムがあったら感動しませんか?私たち塗装店からしたらそのくらいとても感動する材料なのです。

因みに、世間一般で最も多く使用されている材料は、変成シリコン樹脂タイプのシーリング材です。シリコンはとても耐候性に優れた材質で、塗料でも多く使用されています。私たちでもシリコンの塗料は、一番の売れ筋で、全体の6割以上がシリコン塗料で施工しています。しかし、シーリングの場合、結局のところ、可塑剤による傷みが主な劣化原因ですので、シリコンだったとしても、その対応年数は10年ほどになってしまします。

②シーリングの打ち方(施工方法)

ひとくちにシーリング工事といっても、様々な施工方法があります。見積に記されたシーリング工事とだけ記載してある場合はとても危険ですのでお気をつけください。まずは、シーリング工事にはどのような種類の施工方法があるのかをお伝えしたいと思います。

≪部分補修≫

まず、築年数が浅いお家を改修する場合、シーリングがほとんど傷んでいない場合があります。その場合、シーリングの交換を行うことは決して間違いではありませんが、その費用を負担するのはお客様です。過剰な補修工事は無意味ですので、シーリングが傷んでいない場合は、日当たりの良い面の少し傷んでいる部分だけを補修することをお勧めします。

≪増し打ち≫

次に増し打ち工事です。増し打ちと見積に記載してある場合、それは部分補修でない場合が多いです。増し打ちとは読んで字のごとく既存のシーリングの上に、新しいシーリング材を打ち増しすることを表します。この施工をするのは、既存シーリングの上に、新築時から塗装が施されてあり、シーリングに直射日光が当たっていないお家に限ります。ハウスメーカーで言うなら、一条工務店さんのお家やヘーベルハウスさんのお家は、他社を見ても多くの業者が、シーリングの増し打ちを選択しています。これも実際の所、古いシーリングを一度剥がしてから打ち替えても大いに結構ですが、費用面と効果(コストパフォーマンス)を考えると、余分な工事だと思います。

施工手順としては、まずシーリング上の塗膜の汚れを高圧洗浄などでキレイに取り払い、シーリングの密着をよくするプライマーを塗布します。プライマーは透明な材料で、下地を調整し、新しく施工するシーリングの密着がとてもよくなります。その上からシーリングを打設し、ヘラ押さえを行います。場合によっては、シーリングを打つ前にマスキングテープをする場合がありますが、ボードリシンや吹き付け仕上げの場合はマスキングテープをするとかえって仕上がりが悪くなってしまいますし、余分な手間を省くため、多くの施工店がマスキングを行わない傾向にあります。

≪打ち替え≫

これも読んで字のごとく、古いシーリングを一度撤去し、打ち替える工事になります。静岡にお住まいの方は、サイディングボードのお家が多いため、このシーリング打ち替え工事が必要な場合が多いと思います。シーリングの打ち替え工事は、まずシーリングをカッターで撤去します。次に目地の両端にマスキングを行い、サイディングボードの側面にプライマーを塗布していきます。プライマーが乾いた後、シーリングを打設します。すぐにヘラで押さえて、マスキングを取るときれいに仕上がります。

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シーリング撤去

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プライマー塗布

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シーリング打設

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シーリングヘラ押さえ

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シーリング打ち替え完了

このようにシーリング工事とひとくちにいっても様々な施工方法があります。もちろん各施工店でこだわりの方法があったりしますので、そこはしっかりと打ち合わせを行い、最善の方法を選んで頂きたいと思います。金額面としては、打ち替え工事の相場は800円から1000円ほどです。増し打ち工事は半額の400円から500円ほどです。増し打ちは、シーリングを取る手間と、使用するシーリングの量が打ち替えよりも少ないため、安価です。ですので、増し打ち工事は一概に打ち替え工事よりも劣っていると判断せず、増し打ちで問題ない部分は、費用的な面も考慮して選択して頂きたいと思います。

シーリングの劣化について

最後に細く程度ですが、シーリングの劣化に関してお伝えしたいと思います。シーリングは、先で述べた通り、可塑剤が抜けてしまうことにより、痩せや硬化がはじまり、劣化していきます。主な劣化としては、破断や亀裂、痩せ等です。シーリング材は、新築時基本的に、安価なウレタンコーキングが施工されています。ウレタンコーキング自体が、安価という事ではなく、ウレタンの中にも安価品があるという事です。先程ご紹介したオートンイクシードもウレタンコーキングですが、特殊な材質ですので、長持ちします。以下の写真は実際の施工実績から、シーリングの傷みを抜粋しました。

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こちらの写真はシーリングの破断です。これは、施工時にプライマーの塗布不足という可能性もありますが、シーリングとサイディングの密着がとれてしまっている状態です。

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こちらはシーリングの亀裂です。シーリングが硬化し、サイディングの動きに耐えきれず、避けてしまっています。

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こちらは、シーリングの痩せです。健康な状態に比べかなり品祖になってしまっているのが見て取って頂けると思います。

シーリング工事は、雨を外壁内部に侵入させないためにとても重要な役割をしています。外壁塗装はサイディングを守る保護剤なのに対して、シーリングは直接、お家を守っている部分になります。シーリングが裂けはじめるのは、築8年くらいからです。もちろん中には、施工不良で5年程度で交換を余儀なくされるお家もありますが、皆様も10年をめどに外壁と屋根、シーリング工事をおススメしたいと思います。

それでは、今回も長いお話しにお付き合い頂き、有り難うございました。これを見て頂いた、だれかの役に立てば幸いです。

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